山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

2009-01-01から1年間の記事一覧

鬼に笑われる

強いフリ楽しいフリ大丈夫なフリ満たされているフリ居場所を見出しているフリ 来年はもう少しそんなフリをしないで生きていけるだろうか。 去年と今年の手帳を読んで、書かれていることの暗さに落ち込んだ。ここに書いたことの十分の一でも、人に話したこと…

ゾーニング

>大阪府堺市の図書館で「ボーイズラブ」小説貸し出しを巡り騒動に>http://news. 私は昔大型書店でライトノベルの棚を長らく担当していたので、若年層向けエロコンテンツは見慣れている。そして、その客層があまりに幼いことも知っている。大人も多いけれど…

22歳

あと二週間くらいで私の誕生日だ。K氏の誕生日もだ(一緒だから)。 何かあげたいなと思っているものの、何をあげたらいいのかわからない。私はプレゼントの類が非常に苦手だ。自分のセンスに自信がない。この間も、某デパートの中をぐるぐる巡りながら悩み…

年末

バイト先は、歩いて15分のところにある。店の前には、サッカーでも野球でもなんでもできる大きさの公園があって、冬でも常に子供の姿がたえない。 今日は出勤前に、公園の端にあるベンチに座ってぼんやりした。面接に来る時もそうした。今日の空は結構きれ…

短歌

手の甲の青き血筋が示す道空の果てでは人が争う

寒い

昨日の雨から、めっきり寒さが増した気がする。 冬だなあ。 今日はなんだか変な夢を見た。指の先くらいの大きさしかないハムスターとねずみが、何百匹もいる洞窟の中の夢。人間もたくさんいた。私は何故か何度も変な魔法みたいな攻撃を食らって死んでいた。 …

「かかとのない人、アサッテの人と出会う」

多和田葉子と諏訪哲史の講演会「かかとのない人、アサッテの人と出会う」を見る。この対談は群像に掲載されるらしいけど、まあ私は私で内容をまとめておこうと思う。 多和田葉子は、ドイツに住み、ドイツ語でもたくさんの作品を発表している日本人作家。先に…

カラオケ

音響関連の打ち合わせの為に:**さんと会った。音響の話は小一時間で終わったけれど、案の定お喋りに夢中になり、結局向こうが「カラオケ行こう!」と言い出しラウンドワンへ。三時間熱唱。二人で三時間ならまあ普通だと思うけど、我々が歌うのはJAM pr…

初・裁判傍聴

生まれてから22年、裁判というものを見たことが一度もない。見に行こうと思えばいつでも、しかも無料で見に行けるのに、である。 そのことに遅まきながら気づいたのは、全国初の裁判員裁判についてのニュースを、ヤフーニュースのトピックで見た時だった。…

青い鳥症候群

○ タイトル『青い鳥症候群』――今の自分は本当の自分ではないと信じ、いつまでも夢を追い続ける人、例えば、理想の職を求めて定職につかず転職を繰り返す人のこと。―― ○S1 有限会社Oiseau Blue 面接室 机についている小島と森田、青い鳥。 小島、…

宝塚月組公演「エリザベート」

東京宝塚劇場にて、宝塚月組公演「エリザベート」を観劇した。 「エリザベート」は、1992年にウィーンで初上演されたミュージカルで、宝塚化されたのは1996年。宝塚歌劇団の演出家小池修一郎が演出を手がけ、雪組にて上演された。「孤独なオーストリ…

青い鳥

夜の御殿。中央に黒い大理石の台座。 中央に立つ青い鳥にスポットライト。 青い鳥「いつの頃からだろう。身を隠す必要がなくなってしまったのは。むなしいものだ。かつてはあんなに、世界中の人間が、こぞって僕のことを探していたのに。そう、小さな兄妹ま…

西鶴についてのメモ

私が現代語で書き直すなら、是非「人真似は猿の行水」、を書いてみたいと思う。これを最初読んだ時、とても哀しく、怖い話だと思った。そして何故か、登場する人間たちよりも、猿の方に感情移入してしまう物語だった。解説には、なぜ猿が文学の題材として多…

寝言

やってしまった……。 9時新宿発のバスに乗って名古屋に帰って来たのだが、バスの中でとんでもないことをやらかしてしまった。何しろかにしろ疲れ果てていた私。バラシして、飲み会して、そのまま寝ずにここまで来たもんだから、バスに乗り込んだ時にはもうへ…

ステップ

○ 学校のテラスあやか「お友達になってほしいんです」さくら「……それはそのー、お友達から始めましょう、って意味じゃないよねえ」あやか「はい」さくら「私たまにあるんだ、そういうの。だからもしそういうのなら」あやか「違います。純粋で、まっとうで、…

禁じられた遊び

「お兄ちゃんはギターが上手いのよ」 真っ赤な唇で、うっとりとクスコさんは言った。私はただふうんと答えた。「私が部屋に入るといつも弾いてるの。タオルを首にかけて、壁のほうを向いて」 クスコさんは、いつでも真剣に語る。私は、自分が”たった”4歳で…

孤花

架空の日記を書こうとしたらしい。(2022/12/07) _____________ 盛者必衰理。 ブログ開設。内田百聞の日記の冒頭を真似して書いてみた。孤花(こか?)という花が実際にあるのか、内田百聞の造語なのかは知らないが、孤独な花だなんて、なんとなく趣があっ…

どうでもいい

色々としんどい。あれも これも それも どれも 何もできてない現状。昨日はほんときつかった。朝っぱらから嫌なこと続きで。なんで人は自分の都合の良いように記憶を作り変えていくんだろう。そこで切り捨てられたものに自分の何かをひっかけている身からす…

over night

冬にやった公演のカーテンコール曲の名前。この曲を、最近、一日一度は聴かないと気がすまない。イントロを聞くと、あの、海みたいに心地よくて不安に満ちた、舞台の上の暗闇を思い出す。その中で考えていたことを思いだす。 闇の向こうで、何十人という観客…

弟の友達

弟の友達が死んだ。飛び降り自殺だったらしい。弟は、女友達からのメールでそれを知ってびっくりしていた。ニュースでも流れた。親に、自殺をほめのかすようなメールを送っていたそうだ。 自殺だけはダメだ、と思っている。理屈じゃない。それでも自殺してし…

甘え

甘え下手だということに、非常なコンプレックスがある。「甘える」というのは悪い意味で使われることが多いし、媚びてるみたいな印象を与える言葉だけど、私はこれは、コミュニケーションをとる上で大事なことだと思っている。本当に気を許している相手には…

傷が治りにくい。私の体には、22年の間につけてきた、色んな傷の痕跡が残っている。肌が人の何倍も弱い上、免疫力が極端に低いせいで、傷が治りにくいのだ。皮膚が再生するのではなく、そのまま固まってしまう感じ。まず、普通のかさぶたができない。膿む…

振り向く人

駅のホームで、目の見えない人が「エスカレーターはどっちですか」と声をあげていた。その声にふりむいたのは、私と、あとひとりだけだった。何十人という人が周りにいたにもかかわらず。助けてほしいときは声をあげなければ気づいてもらえない。声をあげて…

いくわ、きっといくわ。

講談社の「少年少女世界文学界」シリーズが好きで、いくつか読んでいる。これは、文章のあちこちに注釈がつけられていて、ページの上部に、イラストつきでその解説が載っているのが特徴だ。注釈があるから、原文をそのまま訳したような、古めかしい言い回し…

荻田浩一のこと

いつかは溶けて消えるように 誰もが君を忘れてゆく バウ・ミュージカル、『凍てついた明日―ボニー&クライド―』のメインテーマ曲、「ブルース・レクイエム」の一節である。 荻田浩一の演出する世界は、いつも悲しい。彼が描くのは、誰かに忘れられること、何…

三島由紀夫『橋づくし』

「橋づくし」は、昭和三十一年「文芸春秋」に掲載された、三島由紀夫の短編小説である。 新橋料亭の娘満佐子(二十二歳)は、同い年の友人のかな子、四十二歳の芸者小弓、そして東北出身の女中のみなと一緒に、陰暦八月十五日夜、願掛けに出かける。深夜、一…