山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

メモ

三島由紀夫「劇画における若者論」ただ、世の中といふのは困つたもので、劇画に飽きた若者が、そろそろいはゆる「教養」がほしくなつてきたとき、与へられる教養といふものが、又しても古ぼけた対象教養主義のヒューマニズムやコスモポリタニズムであつては…

河瀬直美「玄牝」――膣磨きの陶酔

まさしく膣だ――しっとりと暗い“古屋”の中から、光さんざめく戸外を映したカットを観る度に、私はそう思った。二十三年前、私もこの陰りから、祝福の光のもとへと走ったのだろうか。外に出た瞬間の号泣も、母の喜びも、もはやすっかり忘却の彼方だが、今にも…

罪深い顔

それをモンズは「罪深い顔」と表現した。強盗や殺人以外にも、罪と呼びたくなる領域があることを、私達は知っている。それは例えば、ムーランルージュの堕落した狂乱に淀む罪であり、酒に浸った後の疲れそのものの罪である。それらの尾を束ねるのが、キリス…

卒論のためのメモ3

(前半不明)当然、オタク的なものの進化と時代を共にしているという実感は、それによって着実に強まっていった。私自身が“ハマれる”作品は一向に増えていかないのに、熱狂的な“オタク”の増加の気配は濃く、TVや雑誌をはじめとしたメディア、それにアカデ…

卒論のためのメモ2

私はしばしば、そこから外れた、極めて主観的で、個人的な記述の方を強く好んでいた、という事実である。例えば私は、クリエイター達の個人的な経験談などを読むのが好きだった。そのきっかけははっきりしていて、小学一年生の時に父親から与えられた、小学…

とある映画好きの先生に出した手紙

大学3年か4年のときに書いた文章。 _______ 貧乏なのに**のような学費の高い大学に入ってしまったせいで、私は毎月バイトバイトバイト三昧です。生きのびるって大変です。確実に辛いことの方が多い。仕方がないことですね。まあそんなに悲壮な気分ではない…

創作:光の記憶

大学生のときに書いた、5〜10分で終わるイメージの映像シナリオ。 おそらく2009年か2010年。 __________ S1 建物の屋上 青空の下、白い服を着た男女が、背中合わせで立っている。男モノローグ「僕達は白い鳥」女モノローグ「私達は白い蛇」男モノローグ「…

創作:光の記憶

大学生のときに書いた、5〜10分で終わるイメージの映像シナリオ。 おそらく2009年か2010年。 __________ S1 建物の屋上 青空の下、白い服を着た男女が、背中合わせで立っている。男モノローグ「僕達は白い鳥」女モノローグ「私達は白い蛇」男モノローグ「…

卒論のためのメモ

この文章をいつ書いたのかまったく思い出せないが、2010年11月前後のメモではないかと思う(2022/11/28)。 _____ 卒論を書くにあたり当然ながら、同校の先輩の卒論をはじめ、いくつもの論文を読んだ。ありとあらゆる文章があった。宮崎駿や押井守など、多く…