山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

2010-11-15から1日間の記事一覧

メモ

三島由紀夫「劇画における若者論」ただ、世の中といふのは困つたもので、劇画に飽きた若者が、そろそろいはゆる「教養」がほしくなつてきたとき、与へられる教養といふものが、又しても古ぼけた対象教養主義のヒューマニズムやコスモポリタニズムであつては…

河瀬直美「玄牝」――膣磨きの陶酔

まさしく膣だ――しっとりと暗い“古屋”の中から、光さんざめく戸外を映したカットを観る度に、私はそう思った。二十三年前、私もこの陰りから、祝福の光のもとへと走ったのだろうか。外に出た瞬間の号泣も、母の喜びも、もはやすっかり忘却の彼方だが、今にも…