山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

尋問

夫と午前中から都会に出る。

当初の予定では、ホテルのラウンジでお茶をして「結婚相談所でマッチングしたお見合いカップルに囲まれながら自分たちもそれっぽい会話をする」遊びをする予定だったのだが、諸事情あってラウンジには行けず。しかしかわりに近場の多少高めの喫茶店に入ったところ、隣の席の2人がまさに相談所か何かでマッチングしたらしいお手合わせカップルだった。

2人が去ったあとの夫のコメント。「あれは、男性が女性に仕事の話しかふることができず“尋問”になってしまっていた例ですね。よくあります」。ちなみに夫は結婚相談所で一年活動したのちに私と結婚した人だ。

私はシフォンケーキと紅茶を、夫はコーヒーとコーヒーゼリーを食べてから、新宿の紀伊國屋へ行って本をひやかす。夫を歴史本コーナーに置き、私は上から下まで見て回った。韓国の小説を一冊、日本の新刊小説を一冊購入。夫の方も二冊買っていた。

途中、平台の本の上に肘や腕を置くようにして本を読んでいる男性を見つけて非常に不愉快になった。この時期は汗がつくので特によろしくない。書店員時代の私はこういう客を見つけるとどれだけ嫌がられても注意してやめさせていたものだが、紀伊國屋くらい広い店だとそういう対応も難しいだろう。

本屋のあとは歌舞伎町の方の凪で煮干しラーメンを食べる。久々だったから量に不安を感じたがぺろりといけた。歌舞伎町は相変わらず。変な名前のホストが増えたのはやはりSNS受け対策というかSEO対策というか、ネットを意識してのものなんだろうか。

ラーメン屋の待ち時間と帰りの電車の時間で新刊小説を読み切る。宗教二世についての話。一人の人間が求心力をもってつくるコミュニティは、その一代までしか実質機能しないということを作者があとがきで書いていてたしかにと思う。