山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

「みんな」に読んでもらえるのかどうか

猛烈に忙しい一日だった。

8時に起きてまずは都内某大学へ。若手ライターのPさんを連れて、教授のKさんに3時間ほど取材をする。最後の方で、「みんなに読んでもらう」ということの難しさについて私なりの意見を述べる場面があった。

「みんなに読んでもらいたい」と人はわりと簡単に言う。私も言ってしまう。でも「みんな」とは誰のことだろうか。はっきりとはつかめている場合は極めて少ない。10万部売れる、ということがどういうことかほとんどの人はわからない。人によっては、1000冊売れただけで「みんなが読んでくれた」と思っている場合もある。ツイッターで、200人フォロワーがいるだけで大変なことだと思っている人もいる。「みんな」とか「世間」の規模感というのは、一人一人全く違うのだ。そして、大抵の本は「みんな」に読んでもらえるほどは刷られない。そこから「みんな」にアクセスするための力技はいつだって、茹だるほどの熱意からしか生まれてこないのだ。

打ち合わせの後、二人と別れて移動して、別の仕事相手と昼食ミーティング。カフェレストランで食事した後、スタバで聞き取り録音も。コーヒーカップを持ってダッシュで自宅へ戻り、バタバタと用事を済ませる。帰宅中、雷が鳴り始めたと思ったらあっという間に土砂降りになってきて驚いた。そのまま大雨・洪水注意報が出たらしい。

大雨の中、今度は渋谷に移動し、さっき別れたPさんと再合流して別の著者と別の案件での打ち合わせを一件。知人の中でも飛び抜けて頭の良い、良すぎて少し生きづらそうだがそれすらも知力で人生の糧に変えているような、そんな人である。彼女は、自分が自閉症であることをオープンにしている。あまりこちらの目を見ないし、喋り始めると1時間くらいはまったく止まらないので、戸惑う人は戸惑うのかもしれない。でも私は彼女とのやりとりがとても好きである。知的で、退屈な嘘がひとつもない。彼女のような人の、徹底的に突き詰められた世界を他の人に紹介できるのもまた、本というものの持つ力のひとつだ。

打ち合わせが終わったのは19時半ごろだったが、その時間になっても渋谷は大雨だった。なんとか駅までたどり着き、家まで戻る。地元の駅についたときには雨は止んでいた。借金返済のお祝いにと、提携先氏が花を買ってきてくれたのでそれを眺めながら過ごす。

 

<今日の小池>

朝 たまごサンド

昼 オムライス サラダ コーヒー

夜 小松菜を塩胡椒と鶏ガラ粉末で炒めたもの ゆで卵2個

ヨガ やってない

メモ セブンイレブンのたまごサンド、うまい。