山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

政治の話がわかるようになる最大のコツ

とある新聞社で、選挙がらみの取材を受ける。写真つきで、コメントが長々と掲載されるそうだ。わたしなんかが選挙の話をしていいのかいな、と思うものの、向こうがいいと言うのだからいいのだろう。

不思議なもんだ。ほんの1年前は参議院衆議院の違いすらよくわかっていなかったのに、いまじゃ政治がテーマの本を編集して、新聞社の人に「どうして若者が選挙に行かないのか」なんてことまで聞かれる。

わたしは、政治知識ほぼゼロの状態からスタートした。でも、『残念な政治家を選ばない技術』の著者・松田馨氏のスパルタ教育のおかげでわりとすぐに選挙プロ同士の会話についていけるようになったし、大抵の政治ニュースを興味深く見られるようになった。並行して、政治に関する本は3〜40冊読んだ。興味が持てたから読めたのだ。その結果、政治について「知らない」ことがいかに危険なことかもわかった。選挙ドットコムから連載の仕事を持ちかけられなかったら、どれだけ阿呆な30歳になっていたかと思うとぞっとする。ありがたい話だ。

わたしが選挙の話を理解できるようになった理由ははっきりしている。

(1)公職選挙法の概要を教えてもらったから
(2)市議会議員選挙と県議会議員選挙、市長選挙と県知事選挙など、一見似たようなものに思えてしまう各種選挙ごとの特質の違い(=その選挙が、いったい何を目的とした選挙なのか)を理解できたから

このふたつだ。とくに大事なのが1である。

公職選挙法は、政治界のインフラだ。インフラを理解すれば世界観がわかる。でもインフラというのは、めったなことでは意識されない。わたしたちが普段、道路交通法に従って道を歩いていることを意識しないように。

これと同じで、政治に関わるひとたちも、公職選挙法のことを「あって当たり前」と思いながら動いている。しかし、それがわたしたちから見るとさっぱり理解できないのだ。向こうも説明しようとしない。そもそも、説明できるほど詳しくない人の方が多い。公職選挙法道路交通法よりもはるかに複雑怪奇で、解釈の幅がいちいち広く、戦前の慣習を引きずっているため根本的にむちゃくちゃな法律なのである。公選法に通じているのは、松田氏のような「選挙戦のプロ」とごくごく一部の弁護士だけだ……ということも、選挙ドットコムの仕事をするまで知らなかった。

でもわたしは、具体的な話を聞いて、それが「一般人は知らなくていい情報」だとは思わなかった。むしろ、そこを知ってはじめて、ようやく「そういうことだったのか」と思えたのである。だからそのむちゃくちゃさも含め、日本の政治が何をルールとして動いているかを読者に知ってもらうために、この本でも松田氏に公選法の解説をみっちりしてもらった。もちろん、法律や政治の知識がなくてもわかるように編集している。

なお、この本の編集のために、東大法学部卒の方や現役法学部生にもいろいろ尋ねたが、一流大学の法学部生ですら、日本の政治を縛っている公職選挙法について学ぶ機会はほとんどないそうだ。本を読んでいただいた某新聞社のベテラン記者さんからも、「一般向け政治本ではまれに見る具体的な記述だと思います」と感想をいただいている。一見ふつうの政治入門書と区別がつかないかもしれないが(そこが今回の反省点)、内容はなかなか濃いので、『残念な政治家を選ばない技術−「選挙リテラシー」入門』、よろしくお願いいたします。

 

<今日の小池>

朝 ヨーグルト バナナ トースト

夜 ごはん 鶏肉とキャベツの炒めたの 納豆 卵 りんご

ヨガ やってない

メモ パンケーキがうまく作れない夢を見た。卵や粉を入れる順番がどうしてもわからないという内容だった。