山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

電気鰻になりたい

 家にこもりきりで特に動きのない毎日、かと思いきやいろいろなことがありかなりドタバタしている。
 昨日、同居している妹が発熱した。倦怠感もあるらしい。もちろんまだコロナかどうかはわからないが、妹は接客業をしていたので感染リスクは高いはずだ。まあ特にできることはないので、ひとまず4日間様子を見ることにする。妹とは日常生活の中でほとんど接触がなかったうえ、家が広いおかげえで(2LDK)とくにこれまで以上の隔離対策は必要なさそうである。にしても妹の発熱が発覚する前に、ふと薄めたハイターで家のドアノブや電気のスイッチを消毒していたのは虫の知らせだったのだろうか。
 仕事はなんだかやけに忙しい。起きた瞬間からぶっ通しで働いてしまうことが増えてきた。朝食や昼食を落ち着いて食べることが在宅ワークにおいては大切だと思うのだが、ついつい朝も昼も適当なものをつまむだけですませてしまう。
 これだとよくないなと思って、ボディメイクのためにやめていたパンやパスタを解禁した。カリッと焼いたイングリッシュマフィンにバターをしっかりつけるとか、山盛りのジェノベーゼを作るとか、今まで封印していたことをしまくっている。食はある程度快楽にも寄せて工夫しないと、こうも家にいて毎日同じものばかり機械のように食べていると結局はエネルギーが落ちてきそうだ。
 好きなものを食べる代わりに運動は欠かさない。ストレッチポールやコアヌードルを使って毎日3〜60分はエクササイズをする。これまで使えていなかった筋肉が目覚め出しているのがわかる。あと、トレーナーやタンゴの先生にずっと言われていた「あばらを締める」感覚がようやくわかった。たしかに私のあばらは開いている。これをしっかり閉じられれば、今よりかなり胴にくびれができるはずだ。
 読書などはあまり進まず。ただ昨日なんとなく小林秀雄の『考えるヒント』を読んだら、文字通り考えるヒントをいくつか得た。今回印象に残ったのは「電気鰻」の話だった。すべてを疑う精神、そして率直に心を開いて人と対話する態度こそが他人を気づきや内省に向かわせる。人を感電させる電気鰻に私もなりたい。
 あとはNHKオンデマンドに入ったので、ドキュメンタリー番組をちょこちょこ見るようになった。先日観たのはNHKスペシャル「従軍作家たちの戦争」。『麦と兵隊』で知られる小説家、火野葦平の従軍手帳を軸に、日中戦争〜太平洋戦争の日本や関係諸国のプロパガンダの模様とそれに作家がどう協力したのかを描いたものだ。火野が戦後に著作にひっそり紙を継いで「書き足し」を行なっていたというくだりは実に悲しかった。ただ番組を見た後に調べたところでは、プロパガンダへの協力の”後悔”から自殺した、ということが明確になっているわけではなさそう(そう見える内容だったけれど)。
 そして今日は仕事がらみで調べたいことが出てきた。病気と差別の問題について。図書館は休みだがなんとかやってみよう。