山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

サマーウォーズ的夏休み

終戦記念日、広島三日目の朝。8時に起床。地元の喫茶店で朝食。紅茶とワッフルのセットを食べる。あまり美味しくなくて残念な気持ちに。おまけに、隣に座った主婦二人のうち片方が、ずっと口にものを入れながらしゃべり続けていたのでイライラした。

午後は、肉体労働的な作業に従事する。炎天下の中、2時間くらい外にいたので肌が内側からどんどん焼けていくようだった。日焼け止めはもちろん塗りたくって行ったが怖かった。少し前に読んだ『鱗塾』とかいう美容本の中の、「僕は普段から日陰しか歩かない」という一節が思い出された。

山が見え、川が見え、三階建て以上の建物はほとんど無いような場所である。日差しが強く、川は真っ白に照っていた。祭りのために、夕方になると大勢の人たちが浴衣を着て集まってくる。若いママ・パパが多い。小学生は皆真っ黒に焼けている。河原を見ると、金髪の若いお父さんが、双子用のベビーカーにのせた赤ん坊ふたりをまるでウナギ屋のようにうちわで扇いでいた。

一人の小さな女の子が、暑そうな私を見てうちわで少し扇いでくれた。倒れそうなくらいきゅんとした。あの優しさを失わずに大きくなってほしい。

夜は、とある集いにおじゃまする。5,6家族集まるホームパーティ。まったくもって、VERYに出てきそうな質の良い豪邸だった。2階建てで、ホールと台所は私の憧れるぶち抜き天井。子どもたちが5家族分(地方なせいだろうか、各家庭から2、3人の子どもが輩出されていた)走り回っても平気なリビング、床はタイルばり(フローリングと違ってメンテナンスが必要ないから良いらしい)。犬は三匹。人工芝の庭でバーベキューをし、カレーを食べた。皆ものすごく親切だった。夜は広々とした屋上で、きゅうりの浅漬やスイカを食べながら花火大会の見物をする。

なんというか、完璧な夏の光景だった。地方の仲の良い家族たちに、きゅうりにスイカに花火大会。完全にサマーウォーズの世界である。DSで遊び狂う子どもたちの声を背にひたすらしみじみ。見晴らしのいいスポットで眺める花火というのはやっぱりいいものだなと思った。私は人混みが嫌いなので、花火大会の類に行ったことはほとんどないのである。

夜は、ママさん会に捕まってびくびくと過ごす。主催者の奥さんの誕生日が私と同じだった。広島生まれ広島育ちのママ連合、とにかくみんな明るくて強い! 地元が大好きで、日々を忙しく楽しく過ごしている雰囲気がびんびん伝わってきた。家を建てるのも、子どもを何人も産むのも、親戚づきあい・近所づきあいが密なのも当たり前な文化圏というのが確かにある。東京のせわしない感じとは全然違う。私も、地方出身なのでどちらかというとやはりのんびりした空気の方を「これだよこれ」と思ってしまうところはある。

帰り道、将来のことを色々考えてしまった。私はどこで何をして生きていくのか?