山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

写真撮ってきた

早朝から盛りだくさんの1日だった。まず8時から表参道の美容院で写真撮影。パーソナルスタイリング企画のモニターをやっているのだ。7:45に店にきてくれと言われていたので、6時台に起きて準備する予定だったものの、盛大に遅刻してノーメイク&ぼさぼさ頭で駆け込む。

服もメイクも髪型も盛大にいじくりまわしてもらい、ビフォーアフターの撮影をした。GUの黒ニット、ユニクロのグレーのスカート、黒のタイツに黒の靴というブラックな格好から、ベージュ基調の白っぽいスタイルへ。担当イケメン美容師のY氏に「今までのモニターの中で、一番ビフォーアフターの変化が激しいかもしれない」と言われる。カメラマンのOさんが「かわいい」「きれい」「いい表情!」と誉めちぎりながら撮ってくれたのですっかりいい気分になった。スタイリストさんのコンセプトは「化粧品会社のPRもできそうな感じ」ということだった。Y氏に「お見合い写真にもできますよ」と言われる。見合いね……。

撮影のあとは、サイゼリヤで知人と食事。占いをしてほしいと言われたので、仕入れたばかりのマルセイユタロットで占う。マルセイユ版の小アルカナは今回初めてちゃんと手に取ったのだが、本当に剣と棒の区別が付きづらくて驚いた。これから細かく勉強していく予定。

3時間ほどみっちり話をしてからボイトレへ。第1クールである4回分がとうとう終わった。だいぶ成果は出てきた気がする。肺活量が増えたのと、自分の本来の声のイメージがつかめてきたのがよかったのだと思う。

夕方、心を落ち着かせるためにミスドでノート書きをしてから帰宅。そのあとは、夜中の3時まで延々と某対談原稿の作成をした。なんとか送付できて一安心。とはいえまだある。

そんでもって、Huluで、「セックス・アンド・ザ・シティ」全6シーズンを見終わった。以下FBに書き散らしたことの転載。

 

このドラマが描いているのは恋愛とセックスと女の欲望じゃない。愛と、選択と、人間の思想だ。 

「わたしは恋愛至上主義の女なのよ! 本当の愛がほしい。馬鹿みたいに振り回されても、消耗しても、お互いがいなきゃ生きられない愛よ」
 
最終話のキャリーのこのセリフには心がビリビリくる。キャリー・ブラッドショーというひとりの人間の、人生のきらめきに痺れた。あ〜〜わたしもコラム本出してええ〜〜(かぶれてる)。
 
キャリーとビッグのお似合いぶりはすごい。ぶっちゃけビッグって、視聴者目線だと全然いい男だと思えない。確かに金は持っててダンディだけど、シリーズ通してずっと意志が弱いし、キャリーの話も全然聞かないし、映画じゃ結婚式にビビッて逃亡するという離れ業もしでかす。視聴者の女性全員にメイン男性キャラから結婚相手を選ばせたら、ビッグを選ぶ女は1割くらいじゃないかと思う。どう考えても、気立ての優しいスティーブやつるっぱげのハリーの方がいい。
 
でも、じゃあキャリーにスティーブやハリーをあてがえるかと言ったら無理。キャリーにはビッグじゃないといかん。そしてこの感覚は、ミランダやサマンサやシャーロットと共有しているものなのだ。
 
主役4人の友情は最高すぎた。あんな風にしょっちゅうつるめて、恋愛のすったもんだをなんでも相談できる女友達がいたらどれだけ頼もしいか。それぞれの彼氏が、この4人の友情を尊重しているところもいい。ミランダが、ペトロフスキーの4人への態度に怒ったあと、スティーブに「あなたはわたしの友達にとてもよくしてくれるわよね」と感謝するとこなんか、ちょっとしたシーンだけどグッとくる。ああ友情。
 
HBOのドラマのすごさってのは、「等身大の主人公」とか「共感を〜」みたいな陳腐な言葉をぶちのめすパワーにあると思う。ぶちのめすっていうのは、無視して叩き潰すってことではなくて、「本当に、真正面からそれをやり尽くす」ってこと。プロデューサーやディレクターがインタビューでそういう言葉を使うことはあるけど、そこにユーザーへの甘えがないのが気持ち良い。
 
「等身大の主人公」とか「リアルな人間像」って言葉は本当によく使われる。でも本当に「等身大」を描こうとしたら、人間のクソな部分についての思索と、その結果としての表現を避けては通れない。その辺はユーザーにとって「絶対ないことにしておきたいから極力意識しない」部分であり、身近な人から指摘されたら恥ずかしさで激怒するようなところなんだけど、そこについて作り手側が知らんふりするのは絶対ダメなのだ。なおかつ、それをただもろにトレースすりゃいいってものでもなくて、急所に痛烈な一撃を与えつつ、でも人間の理想をそこに描かなければいけない。それこそがユーザーの魂を本当は救済するってことを信じてもいなきゃいけない。人間賛歌っていうのはそういうことだと思う。SATCはそれに溢れている。
 
「24」とか「ER緊急救命室」とか「フレンズ」とか、すごい海外ドラマはいろいろある。SATCは、視聴率も全米史上TOP20位以内くらいで、圧倒的トップクラスというわけじゃない。しかしこのドラマは革命的存在だ。「女の、性を含めた人生」にここまでまっすぐ切り込んだドラマはそれまでなかった。フェミニズムの文脈で論じられることが多いのも当然である。しかし、革命である前に面白い、というのが一番大事なところだ。理屈よりも先に「マジで面白いものを作りたい」という意志があり、だけど理屈をまったくおろそかにしていない。魅力的なキャスティングと、独りよがりでなく、残酷なまでにフェアで、我慢強い脚本。優れた強固な思想は、作り手の突進のあとにこそ発見されるんだよなと。
 
ニューヨークを愛のシンボルとして描き切ったシーズン4の「わが心のNY」は、奇しくも9.11の直前に撮られ、9.11の後に放映されたという。そこに運命を感じてしまうのは人間のただのエゴだ。でも、どんな運命もエゴがなければ感じ取れない。恋愛の、尊いシーンの大抵がそうであるように。エゴを生き切ることの横顔が「人生」と呼ばれるのだ、ということがよくわかるドラマだった。

 

<今日の小池>

朝 なし

昼 サイゼのピザ、チキン、プリン

夜 鶏肉とキャベツの炒めたの 卵 納豆

おやつ ミスドポンデリング

ヨガ やってない

メモ サイゼのピザ、チーズの量だけで別メニューとするのはずるい。