山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

白、と言ってくれた君。

昼過ぎから新宿で人とランチミーティング。私の高校生時代をよく知っている、数少ない友人のひとり。出会ったときはたったの15歳だったのに、お互いいまやその倍の年齢を重ねているのが不思議だ。

30歳。彼女は自分を「おばさん」と自嘲気味に言うが、私は悪い意味での「おばさん」という言葉を自分には使わない。私は50代で女としての魅力のピークに行き着く予定なのだと語ったら、「確かに小池はどんどん綺麗になっていく。すごいよ」と真面目に褒めてくれた。嬉しいけど、これは15歳のときの私のレベルが極めて低かったが故に発生している称賛である……。

今週末、故郷に住む共通の男友達の娘を見にいくという。普段はあまりそんなこと思わないのに、なぜか彼女にくっついて地元に行きたくなった。地元の川原を歩いて、地元のファミレスでうだうだして、昔の友達の子どもを抱っこしたい。そんな日がいつか来るんだろうか。

そのあとは仕事でドタバタ。新宿から永田町、渋谷と走り回って随分疲れた。重たい荷物を背負って長々と移動するのをやめたい。もっともっと荷物が軽くなるように、生き方を調整していかないと。

夜、ユニクロで服を選びながらふと思い出した。

私の初恋は遅くて、19歳のときである。相手の男の子とはマイミクの関係だった。

ある日その彼が、ミクシィのバトンで「指定の色に合うマイミクをあげていく」というお題について書いていた。彼は私を「白」のパートに選んだ。理由は、「女の子らしくてかわいいから」だった。

はっきり言って、ものすごーく驚いた。だって私は当時、いつも上から下まで真っ黒な服ばかり着て、髪の毛も染めておらず、いつもぶすっとして、口をひらけば男言葉で、夜な夜な何千字もミクシイで日記を書くような暗い人間だったからである。私の周りにいるだれだって、私に「白」のイメージなんて持っていなかったはずだ。

彼が一体どんな感覚で私のイメージカラーを「白」にしたのか。聞く機会もないまま彼とは完全に疎遠になってしまった。

白っぽい色の服を着ないまま10年が経って、29歳になった今、私のクローゼットはどんどん明るい色ばかりになっている。スタイリストさんに「黒断食をしろ」と言われたからだ。実際、今は明るい色の服を着ていた方が気分がいい。真っ黒な格好はもうできないと思う。心が重くなる。

スタイリストさんにあつらえてもらったコーディネートのうち、4パターンくらいが白基調である。白づくめの格好をするようになった私を見たら、彼は一体どう思うんだろう。向こうももう30すぎ。「おじさん」になっているんだろうか。

なんだか今日はやたら昔のことを思い出す。

 

<今日の小池>

朝 バナナ 玄米ブラン

昼 マルゲリータピザ、じゃがいもの冷製スープ、ティラミス

夜 ラーメン

メモ クスクスとトマト煮が食べたい。