山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

「本気でやる」のが一番合理的。

9時に起きて、広告系の仕事をする。昼に終わらせて、小説家のAさんと、自由が丘にあるルサルカでパンケーキ女子会。


ここは「ぐりとぐらのかすてら」風のパンケーキを出してくれることで有名な店で、私もそれが食べたくはあったのだが、2人前くらいあるのと、値段が1600円もするのと、でてくるのに30分かかるというのでやめた。今度腹ペコの時にリベンジしよう。

Aさんとは、カフェを渡り歩きつつ、子供時代の話やら、書くものの話やら、とりめなくいろんな話をした。とても真面目で純朴な女性で、目がものすごく可愛い。フィールヤングとかに連載している、シンプルな線の少女漫画家が描くような目をしているのだ。お土産にとムーミンのプリンをくれたのがとても嬉しかった。

「幸せな人間には物語を書けないのか」

というテーマでお互いあれこれエピソードを披露しあったが、最終的にはやっぱり「書きたいなら書くしかない」という結論に落ち着いた。「不幸な人間じゃないとものは書けない」ってのは変だよねー、とのどかにパンケーキを食べつつ言い合う女ふたり。

彼女と別れ、夜は某社を訪ねる。ベテラン編集者のKさんと3年ぶりに面会。相変わらずものすごく切れ味のするどい、現実へのアクセスの早い姿を見られてゾクゾクする。彼がいなければ、私は今のような形で仕事をすることはできていない。

ちょっとした相談があって行ったのだが、予想の何倍も親身になって答えてもらえて心底励まされた。彼にとってはなんの関係もない案件なのに、「うーん、今俺がここでこういう風に動いたらあそこに迷惑かかっちゃうし……」と真顔で、当たり前のようにつぶやくので驚く。ついでに、彼の最近の想いや、過去に作った大ヒット作品について考えていることなども話してもらえてものすごく刺激を受けた。こういう編集者がいる限り、この世界から面白いコンテンツはなくならないのだろう。

私は編集者にもライターにもなりきれていない人間で、しかも今書こうとしているのは小説だが、いつかKさんにも認めてもらえるような面白い本を作りたい。どういう形であっても。

「好きなものを本気でやる、っていうのが結局、儲けのことを考えても一番合理的なんだよ」

と言われて本当にそうだよなと思った。幸不幸やら、マーケティングやらは関係ない。まずは自分の情熱と誠意を大切にしないと、作れたはずのものが作れないまま終わるかもしれないのだ。

見城さんじゃないけど、やっぱり熱狂は大切だ。

 

<今日の小池>

朝昼 ルサルカのパンケーキ

夜 ラーメン

おやつ プリン

メモ 野菜。