山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

ご褒美

歯医者の帰りに、ふと路上占い師のところへ行った。近所の高架線下でよく店を出している爺さんである。「手相500円」と書かれた看板を出しているが、タロットや算命学もやっているとのこと。

「何を観たい?」と言われて迷っていたら、爺さんがいきなり親指を立ててこう言った。

爺さん「いるか? コレ」
小池「あ、はい、まあ」
爺さん「一人だけか?」
小池「ああはい……ってそりゃそうですよ!」
爺さん「んじゃあ相性観てくか」
小池「へい」

というわけで、算命学による相性鑑定から始まってしまった路上占い。

 

*恋愛方面

爺さん「うーーんこれは……」
小池「ど、どうですか」
爺さん「めちゃくちゃいい。僕も年間2〜3000組の相性を見るんだけどさ、こんなに良いのは滅多にない。ハートマークあげちゃう」
小池「それはまあ、あの、よかったです。初めてできた彼氏なので何をどうすればいいのかまだ試行錯誤で」
爺さん「ええ〜っこの年まで男知らなかったの!? 男断ちしてたわけ!?」
小池「いや、別に意識的に男断ちしてたわけじゃ」
爺さん「こりゃすごいねえ。それでこういう男をひいたってことはこれはご褒美だね。男断ちして真面目に働いてきたから、その努力にふさわしい男をもらえたんだわ」
小池「男断ちしてたわけでは……」
爺さん「でも油断禁物だよ。良すぎて危ない、ってこともあるんだから。特にあんたはものすごく思い切りがいいからね。もういい、ってなったら、好きすぎて一発で憎さ百万倍になっちゃったりする」
小池「アッハイ」
爺さん「彼はどーも、あなたのオソロシイ気性ってものが理解しきれないタイプみたいだから、ちゃんと男を立てて生きなきゃダメ。あなた、ただでさえ強烈なんだから。普通の人は気圧されちゃうからね?」
小池「ハイ……」

いつもいつも、占いをするたびに「お前は強烈すぎるから男に優しくしろ」と言われる小池である。

 

*仕事方面

爺さん「(命式を観て)あんた転職するの? そういう巡りがきてるよ。30年に一度の大転換期だよ」
小池「職業自体は、もうフリーランスで独立してるんですけど、ライター業は縮小して、もっと小説とか漫画を描こうと思ってます」
爺さん「え、漫画も描いてんの? 多才だなあ。確かに多才の星だけどね」
小池「来年あたりに小説を出したいんです。できるでしょうか?」
爺さん「よしよし、観てみよう」

一枚目:力(正位置)

爺さん「うん、来年出せるよ。でも一発目でいいのが出すぎたなあ。条件付きのカードだと思うから、何をすればこれに至るのかを観るね」

二枚目:カップのペイジ
三枚目:ワンドのナイト

爺さん「……条件なかった」
小池「えっ」
爺さん「あんたはこのままで大丈夫。今のまんま過ごしてれば作家になれる。もうそういう段階に入ってる。特にカップのペイジね、これは芸能人とか人気商売の職業にとっては最強のカードなんですよ。うん、何も心配いらない。でもこれは第一歩目だから、売れるかどうかは別ね」
小池「ワーイワーイ嬉しい〜」
爺さん「(他のもひいて)あなたはこの数年相当苦しい状況だったね。特にお金関係。でも真面目に頑張ってきた。今までが大変すぎたから今不安がでかい。でももうご褒美の時期に入ってるから。報われるよ。不遇を耐えたご褒美が一気にきてる。この彼氏もご褒美、仕事の成功もご褒美。あんたは並のサラリーマンよりはずっと稼げるから安心しなさい。楽しく生きて」
小池「はーい!」

 

というわけで、なんだかとっても励まされた占いであった。実際はもっと色々話して、全部で40分くらいやったんだけど、全体的にいい話ばかり聞けた気がする。ポジティブな気持ちで生きよう、と思わせてくれる占いはいい。

 

<今日の小池>

朝昼 カフェのサンドイッチ(アスパラ・卵・ベーコン)、クリームブリュレ

夜 ご飯、小エビのふりかけ、卵

おやつ クリームパン

メモ クリーム摂取し過ぎた。