山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

悪いエネルギー

やっぱり出勤する場所があるのはいい。生活にリズムが作られるからだろう。一人で、家だけを根城に働いていると、どうしたってこのリズムというやつが作りづらいのだ。

今日はとある習い事をこなしてからの出勤。講師が目の前に現れたとき、前回に引き続き「あれ、この人今状態がよくないのかな」と思った。私にはオーラの類は見えないが、なんとなく意識が上ずっていて、目の奥が泳いでいる感じ。レッスン自体はつつがなく進んだが、いまいちしっくりこずに終わる。

人間だからいろんな時がある。悪い状態のときもあって当然だ。しかし講師業の人間が、レッスンの時間の最中に悪い状態だと、意識しないとこっちも持って行かれてしまうんだよなあ、ということを思う。「今日はみきさんのエネルギーが強くて、ひっぱられている感じがする」と言われたが、それは多分向こうが弱っているからだ。運の良い人のそばにいた方がいい、というような考え方も基本的にはこういうことなのだろう。

夜は、長年の友人から電話をもらう。モラハラ気味の恋人について、どう対処すればいいかという相談だった。

彼女の恋人が「やばい」ヤツだということがわかったのは、ごく最近のことだった。恋人がいる、という程度にしか話を聞いたことがなかったし、彼女とは頻繁に会うわけではなかったから気づくのが遅れたのである。ある時、百貨店のレストラン街でピザを食べながら何気なく彼女の日常について聞き、どうにもおかしい点が多いので問いただしたら、やばさ100%のエピソードしかなくてたまげた。

「あの時、みきに『あんた洗脳されてるよ!』って言われて本当によかった。そうやって言われてから、初めて『もしかして私洗脳されてるのかな?』って思いながら相手の振る舞いを見られるようになったの。めちゃくちゃなきっかけで激昂するし、とにかく私が自分の思い通りに動いていないとキレるし、どう考えても普通じゃなかったなってやっとわかった」

洗脳されている時、人は自分がどんな状態にあるかを客観視できない。気づいていなかった頃の彼女は、どこか暗い、ぼんやりした雰囲気を持っていた。その男のエネルギーに巻き込まれていたのだと思う。

彼女には今、プロポーズしてくれている別の男性がいて、きっとその彼と結婚することになるだろうと思う。いろいろな理由から、結婚に憧れつつしかし諦めているような子だったので嬉しい。あとはモラハラ野郎をうまく振り切るだけだ。いろいろと危険なことも想定されるので、専門の相談機関などもおさえてきちんと進めよう、と話し合う。

「結婚式をするなら呼んでよ」
「やるとしたら、身内だけでやりたいな。みきと、Aと、Bと……本当に3、4人の友達が呼べればいい。小さくお祝いできれば十分」

祝福の場を想像するとわくわくする。こういう未来図こそが、悪に打ち勝つ武器になるのだ。

 

<今日の小池> 

朝 ぬき

昼 サラダチキン ローソンのブランパン

夜 やよい軒の鯖塩定食

おやつ バームクーヘン

メモ ブランパン、味がしない。