山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

2010-09-17から1日間の記事一覧

「借りぐらしのアリエッティ」――不在の心臓

この映画で描かれる「小人族」の生活には、奇妙に浮ついた印象を抱いた。彼らは、人間の食べ物や小物を「借り」て生活している。その行為は我々の価値観に照らし合わせれば「盗み」なのだが、彼らは、そこに特に思うところはないらしい。アリエッティが、翔…

映画「恐怖」

六、七歳の頃だが、「なんで今この瞬間、私はここに存在しているといえるのか」などという小賢しい疑問にとりつかれたことがあった。幼心に、その疑問に終着点がないことを感じ、これ以上「先」へ進むと頭がおかしくなるかもしれない、という予感に襲われた…