山羊の沈黙

たくさん読んでたくさん書く生活を模索しています。

ぽっかり

 ぽっかり空いた土曜。この週末は要・急な用事のために県外に出る予定があったのだが、諸事情によってバラシになったのだ。
 最近忙しすぎたのでこれも天の采配かと思い、朝から冷蔵庫の残り物を片付け、風呂の排水口の掃除などに励む。そろそろ湿気にやられる時期がくる。
 昼前にZOZOTOWNで頼んでいたワンピース三着が届く。絶望的に外出着がなく、このまま夏になってしまうとまともに外に出られなくなるから注文したのだ。
 吟味に吟味を重ねたつもりだったが、三着それぞれに致命的な欠点があり、妥協できなかったので返品を決める。かれこれ3回もZOZOTOWNには送り返しをしており、返送代ばかりがかさんでいくのでちょっと嫌になってきた。色や基本の構造は見込み通りなのだが、着たときの身頃の突っ張り感だとか、動いたときの微妙な不自由さとか、素材感だとか、どうしてもイメージし切れないところがあり、毎度現実にうちのめされている。
 午後はすこし外をぶらぶらし、近所のファミレスでオニオンスープを飲みながら考え事をする。このところずっと考えていたのは、今後の身のふりというか、仕事をどんな風に進めていきどのタイミングでどんなことをするか、といったことだ。もちろん、そんなもの考えたところで実際にどうなるかは神のみぞ知るだが、残り時間や体力的にはこのあと20年くらいが仕事人生のメイン部分であることは間違いなく、そろそろ優先順位を絞り込んでいかないとやりたいことができないまま終わりそうだと感じるのである。
 いくつか迷っていたことがあったのだが、いろいろと考えているうちに頭が整理されて、最終的にはとてもシンプルなプランができた。結局小学生のときと同じ構想である。33歳、そろそろ折り返し地点に入る。来年に向けて頑張りたいことがたくさんある。
 家に戻ってから「凪のお暇」と「若おかみは小学生!」を交互にチラチラと見た。「若おかみは小学生!」は以前劇場で観ている。個人的にはかなり苦手な作品で(原作は好き)、終わったあと頭を抱えたものだが、世間的な評価は高かったので自分の偏屈さを自覚した。しかし、私はやっぱり「女の子が頑張っているお話」自体は好きでも、「子どもが飛び抜けて立派で、周りに善人であまり役に立たない大人たちがちりばめられている」世界観は嫌いなのである。このあたり、やはり私の永遠の師である福永令三のうまさを見習いたい。
 夜は「カーネーション」を観ながら野菜スープと焼き芋をつくる(胃腸が疲れているので食物繊維を多めに取る計画)。勘助に手をあげる糸子を見て、どうしてこう苦労人の長女は親父と同じことをしたがるのだろう、という近親憎悪的な気持ちがわきあがった。