考える引き出し

小池みきがなんでも書くところ・タンゴ練習記録多め

【ラジオ】#11・12アップしました

radiotalk.jp

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「小池みきのどうでもラジオ」、#11と#12をアップしました。性教育については、お子さんの性質や親子の関係性によって「適切な伝え方」はかなり変わってくると思うので、私の話はあくまでひとつの例としてお聞きくださいませ。

「東京に差別なんてない」とな

8月11日(土)

9時ごろ目覚めるも、「起きたら原稿をやらねばならない」という恐怖から起き上がれず、1時間ほど布団の上で瞑想状態に陥る(ただゴロゴロしていただけだ)。

10時過ぎに一念発起して起き上がり、昼前にいきつけの喫茶店でマグロ漬け丼のランチ。食後に紅茶とチーズケーキというフルコースで気合いを入れる。ノート1ページぶんの原稿の下書きをしたあと帰宅、そのあとはちゃんと筆が進んで17時半には脱稿することができた。とりあえず安堵。そんなにたいした量じゃないんだけどなあ。

しかし次の予定があるので休む間も無く化粧をして外出。電車に乗っている1時間近くの間、膝に抱え込んだJ社の原稿と向き合う。文字校正 in 東京メトロ

そのあと、渋谷のバルで、新時代の優秀な編集者二人と美味しい野菜や肉を食べる。この世の腐った話を聞くたび、私が「なるほど、それは射殺に値しますね」などと物騒寄りのコメントをするので、「最後はみきさん自身がギロチンにかけられますよ」と因果応報について説き伏せられてしまった。

これはお店で飲んだ「きゅうりのジントニック」。さわやかでおいしい。

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「エモリテラシーの高さから作られるエモにはやっぱりバイブスが宿らないんだ」みたいな話を三人でしたあと(「エモ」も「バイブス」も、私は普段の生活で使うことのない言葉なので新鮮)、私は次の仕事のため途中退席。こんぐらがりまくっている某案件のことをあれやこれやする。

あれやこれやがうまくいかないので悲しくなり、遅い時間だったが某タンゴ教室のミロンガへすっ飛んでいく。今回はあまりたくさん踊れなかったけれど、素敵なタンゲーラのお姉様といろいろ話せたり、世界レベルのかっこいいダンサーと立ち話ができたり、陽気なコルティーナ(タンゴ曲の間に流される、タンゴ以外の曲)に合わせてみんなできゃっきゃ踊ったり、すごく楽しかった。

びっくりしたこともあった。一人のマダムとお話したときに、何かの流れで私が自分の仕事について話したら、彼女は優雅に笑いながらこう言ったのだ。

「今差別っておっしゃったけど、日本に差別なんてないじゃない? 何を書くっていうの? ああ、○○県にはあるっていうわね。でも東京にはないわよ〜、差別なんて!」

本当に、人と人は違う世界に行きている。同じ東京にいても、差別のある世界に住んでいる人間と、ない世界に住んでいる人間がいるのだ。そういうことにはもう驚かなくなった。彼女に対しての怒りや悲しみというものも特にない。ただ、何も感じないでいられるほど、私はやっぱりまだ図太くはなっていないみたいだ。

昼 マグロ丼 チーズケーキ 紅茶
夜 酒 ピーマンの肉詰め オムレツ 空芯菜炒めなど

 

8月12日(日)

8時すぎに起床。酒は残っていなくてホッとする。細々とした連絡系の雑事をすませたあと、14時すぎまでA社の仕事。急いで化粧をしてタンゴのレッスンへと走る。比喩ではなく本当に走ったので、教室についたときにはスポーツ漫画のように汗をだらだら流していた。体をふくのが大変だった。

レッスン後、カレーうどんでも食べて帰りたかったものの、冷蔵庫にいろいろ入っていることを思い出して帰宅。料理を作って食べ、大河の「西郷どん」を見る。岩倉具視鶴瓶というのはなかなか斬新だな……。岩倉の息子役をやっていた少年がすごく美少年だった。あと、桂小五郎役の玉山鉄二の顔もやっぱり美しかった。ガオシルバーよ永遠に。

そのあとまた某T案件のメールのやりとりなどをして、T案件どうにかほぼほぼフィニッシュ。

気分転換のために、近所を3、4キロほど散歩する。多少の自然と触れ合えるところがあって、そこを歩くのが好きだ。音楽を聴きながら、時々こっそり飛び跳ねながら無人の道を歩いた。

やりたいことが着々と増え続けていて、「やりきった」ことはまだものすごく少ない。やっぱり焦りは時々感じるし、焦りがわくと自分のことを嫌いになりそうにもなる。でもここでふんばって、浮つかないように、目の前のことをきちんとやりつつ、野心を守りたい。

先日桜林直子さんと話したときに、彼女はこう言っていた。

「若くて見た目も爽やかでいろんなことができる器用な編集者やライターの子の中にはさ、時々、『今目の前に仕事はあるけど、でも何かもうちょっといい仕事がもらえるんじゃないか、もっといい場所があるんじゃないか』ってどこかでよそ見しているような子がいるでしょ。そういう感じってわかる人が見れば絶対にわかるよね。そしてそういう子って、そのままよそ見し続けていると、それが見抜けないレベルの人からしか仕事がもらえなくなっていくんだよ。それが一番本人にとってよくないことだよね」

私はもう若くはないし、見た目爽やかでも器用でもないが、それでも「よそ見」の誘惑に囲まれてはいて、かなり気をつけている。本当に、これは細かくて過酷な戦いなのだ。

まだ、負けてはいないつもり。

朝 ミニトマト スーパーのネギトロ巻き
昼 あられ
夜 ご飯 鶏ささみとナスの甘酢煮 納豆 

煽られる(レッスン26回目)

前半3人、後半3人。

滝のような汗を流しながら教室に走り込む。前半は、新しく入った人たちとのレッスンだった。二人が女先生に基本を教えてもらっている間、私は男先生とまずフリー。

「カデンシアを意識して」という話を最近よくされる。上下の動きやタメを、きちんとリードに合わせていくこと。緊張したけど頑張った。軸足じゃない方の足をきちんとゆるめる、というのが今の課題。最初は硬くなっていて、ボルカーダとオーチョ・ミロンゲーラをつかみそこねる。

新しく入った男性M氏とも、サリダやオーチョの練習のために踊った。彼は男先生よりさらに背が高く、体格がいいので組んでみたらなんだかぶら下がってるようになってしまった。そのあとに男先生と組んだら、ほんの数センチの差なのに「ひとまわり小さくて組みやすい……!」と感じて新鮮であった。でもM氏は覚えも早く、かなりの逸材の予感。レッスンを続けるようならミロンガに連れ出そうっと(手ぐすね引き引き)。

結局男先生とは3回くらいフリーで踊った。踊り始めに軸が安定しないのと、脚を引くのがちと遅いこと(ちょこちょこぶつかってしまう)、軸じゃない方の脚をリリースしきれていないのが駄目。オーチョ・コルタードのねじり戻しがうまくいかないのもそのせいのようだ。でも「カデンシアのつかみかたが上手ですよ」と言ってもらえた。

後半は、いつもの初級ステップのおさらい。けっこうたくさんやった。フリーでは、クロスからの送り出しをつかめなくて悔しい思いをする。

面白かったこと。

オーチョ・コルタードの練習中、女先生がベンチから私に向かって「みきさんピケして。ピケ。そこでピケ!ピケ!」と熱くアドルノの指示を入れてきていた(私がまごまごしていたせいでうまく入れられなかったけど)。

すると男先生が口を出し、

男先生「あの、みきさん煽られてますけど大丈夫ですか」

煽られてる、という表現がおかしくてゲタゲタ笑う私。男先生は、女先生のそういう「煽り」が生徒から見て怖くはないかと気にしたらしい。

女先生「昨日もね、『アナタ言い方きついんじゃない』って彼が言うから『そんなことないと思う』って返したの」
小池「うん、全然怖くないし、きついと思ったことはないですよ」
他レッスン生「熱血だからね、女先生は」
女先生「私ほんとは我慢してるの。もっと言いたいことある」
男先生「そ、そうなんだ……」
小池「もっと煽ってもらって大丈夫です!!」

煽り耐性をつけて、練習を頑張っていきたい。

 

レッスン終わり、先生に「サロン派の先生と、ショータンゴ派の先生はわりと分かれがちである」という話を聞く。

なんでも、男先生が最初に通っていた教室の先生は、「サロンタンゴなんてつまんないからやらなくてよし、ド派手なショータンゴが最高!」という思想の持ち主だったという。何をやるにも「もっと大きく!もっと大きく!」と指導するので、男先生はタンゴを習い始めた当初、基本の動きをものすごく大きい振り幅で習得していたそうだ。

男先生はそことは肌が合わなかったので結局教室を変えて、そこからプロのタンゴダンサーになっていく。で、そののちとある外国人先生のレッスンを受けたところ、その先生は今度は「ショータンゴなんて邪道!本道の上品なサロンタンゴこそが至高!」という信念を持っていた。この先生には、ちょっとでも大きな歩幅で歩こうもんならすぐに「ノン!!」と注意されたらしい。

男先生「だから本当にいろんな考え方の先生がいるんですよね。どれが正しいとかじゃないんだけど」

そういう極端な先生のレッスンも、一回二回受けたら面白そう。まあでも私はとりあえず、今の先生たちをしばらくは追いかけるつもり。守破離の守の、まだまだ入り口の段階だからね。

 

今日先生たちが踊った曲①、NIDO GAUCHO

www.youtube.com

先生たちが踊った曲②、Recuerdo (の、アレンジ)

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課題はワルツと英語とスペイン語(ミロンガ4回目)

仕事があまりにも修羅場。いろいろと耐えかねることが多く、全てをかなぐり捨てて駆け落ちのごとくミロンガへ走る。

着いたのは20時半を回ったところ。あまり男性がいなかった。長年ここのミロンガに通っている人によれば、ここは基本的に男性が少ないのだという。終盤は、先生たちが順々に女性たちの相手をする、という感じになっていた。先生が踊ってくれると、それがあちらの商売なのだから気遣い無用、とは思ってもなんとなく申し訳ない気持ちになる。

光栄なことに、先生勢の一人にして去年のタンゴ世界選手権チャンピオンであるアクセル・アラカキ氏(後ろ姿の美しさにびっくり)も踊ってくれたのだが、そのタイミングでかかったタンダがよりによってワルツ!! 悲しみ。まだコントラティエンポをうまく刻めない、ワルツのときは基本男先生に引きずられながら踊っている私である。アクセル氏にもおんぶに抱っこであった。もっと練習しないと。

アルゼンチン人の先生も踊ってくれて、こちらはタンゴだったのでなんとかついていけた。ヌエボ系の動きは楽しい。

しかし終わったあと、しばらくしてからその先生がやってきて言う。

先生「君はなんで英語が喋れないんだよ。why!?(英語)」
小池「え? why? なんで喋れないか? なんでと言われても(日本語)」
一緒にいた女性「ん〜、先生、彼女は日本語を話す方が好きなんですって(英語)」
先生「(やれやれという顔)」

日本語でものを書く仕事があまりに多い私、英語が喋れなくて困った経験があまりないのだが(相手の言っていることがわかればどうにかなるシーンばかりだった)、今回は大変悔しかった。もっといろいろコミュニケーションしたい。ちゃんと英語を喋れるようになろう。できればスペイン語も!

あまり踊りの時間がなかったので、あとの時間はベテランのお姉さまにタンゴよもやま話を聞いていた。面白かった。「私は振付ばかりしているから……」と言うのでどういうことだろうと思ったら、「振付をしている」というのは「先生に振付をつけてもらい、発表会などで披露することをメインにやっている」、という意味らしい。そうだったのか。

前にミロンガで男性に「私は振付をやっていて」と言われて「えっ、振付の仕事をされてるなんてすごいですね、プロなんですか」と反応してしまったことがある。「え、いやそんなんじゃないです」と返されたのだがそりゃ当たり前であろう。独特の言葉遣い、むずかしい。

もしサロン中心にやっていきたいなら、やっぱりパレハ(タンゴにおいて言うときはダンスのペアのこと)は組んでいた方が何かと楽かも、という話もされた。「みんないったいどういうところでパレハを組むのか」と聞いたら

「ミロンガで知り合うってケースが多いかなあ。小池さんは若いし声はかけられやすいと思うよ。でも、ミロンガで上手いなと思う男性って大抵すでにパートナーがいるのよね。だから、効率がいいのは社交ダンスなんかをやってる男性をタンゴに引っ張りこんじゃうことね」

との返事。なーるほどね……。

帰り、アクセル氏と立ち話。まだこんなに若いのに(25歳!)、世界一になるくらいダンスがうまくて、ハンサムで分析上手で、ついでに言えばお母様もめちゃめちゃ美しくて(お母様もダンサーだ)、なんかもういろいろすごいなあ、と感心しきりだった。私はダンサーになりたいわけではないが、爪の垢は飲みたい。

結局締めの時間まで居座ってから帰宅。帰り道々思い出したのは、アルゼンチン人の某先生が、フロアで自分の息子さんとタンゴを踊っていた姿である。息子さんはまだとっても小さくて、頭が先生の腰くらいのところにあった。彼がダンスをそのまま好きでいつづけるかはわからないけど、この日本に育ってもきっと、当たり前のようにダンスを踊れる青年になるんだろう。

家族がいるって、その家族と踊れるっていいな、と少し思った。

タカラジェンヌさんたちといっしょ

もうここまできたらさすがに予定がひっくり返ることもないと思うので告知。

8/24・25上演のタンゴコンサート、日亜修好120周年記念公演『Todos del Tango Verano 2018』(日本語名「タンゴのすべて」)のパンフレットにエッセイを寄稿しました。また、そのパンフレットに収録される、元雪組トップスター水夏希さんとプロデューサー・高橋まさひと氏の対談の構成もさせていただいています。ネットでタンゴタンゴとわめいていたら舞い込んできたこの仕事、元ヅカオタ+現タンゴ女の私にはあまりにも僥倖。

ついでに……というのも変なんですが、パンフ編集のお手伝いもしています。こういうのは久しぶりなのでちょっと緊張したな。って、過去形で書いてみたけどまだ校了していない(死)。

そんなわけで8月10日(金)の話。

今日は「タンゴのすべて」のリハーサルに同席しなければならない日だった。

リハまでにいろいろ片付けるべく、6時起きで仕事。昼過ぎに家を出る。あまりに暑くて生きているのが嫌になる。サングラスがなければ1秒たりとも耐えられない。電車では某書籍原稿の文字校正をする。

死を想いながら、渋谷区某所にあるスタジオへと向かう私。途中で佐●木俊尚さんらしき人とすれちがった。真っ黒なサングラスごしに見ていたら、向こうにもガン見された気がするけどこれは①グラサンが怪しすぎて不審者だと思われた ②私のツラが割れていて、木っ端ライターが何見てんだと嫌がられた ③私の自意識過剰 のどれだろう。

スタジオでは、パソコン作業をしながら待機。

そうしたらくるわくるわ、元タカラジェンヌの妖精たち。日向薫さまがあまりにも穏やかで優しく、私のような人間にも腰が低いので「やっぱり私の原点は星組……!!」という気持ちになった(※私が初めて好きになったのは、ビデオで観た紫苑ゆう・麻路さき時代の星組なのです)。

完全に”花園”状態となった待合室にて、初風諄さん、安奈淳さんというレジェンドお二人のコメントを録らせていただく小池。あとは粛々と仕事。結局5時間ほどそこにいただろうか。透明人間になるべく、部屋のすみで小さく小さくなっていたため身体中がガタガタに痛くなる。

帰り道、タンゴ系ステージの舞台監督を数十年されているというS氏と電車が一緒になり、少しだけ話す。

「今は東京中でミロンガをやってるよね。昔は全然そんなことなかったよ。やっぱりアジア選手権ができてからだね。アジア選手権で上位入賞したら、それをハクとして独立して自分のところでミロンガを始める、という流れがそこからできたの。昔はスタジオごとに有力ダンサーがいっぱいまとまっていたんだけどねえ。おかげで、若いダンサーさんが全然わからなくなっちゃった(笑)」

2000年代以降の日本におけるタンゴシーン、というのも個人的には気になる。あまりに最近のことすぎて語りづらい部分が多いんだろうけど、機会があれば細かく聞いてみたいものだ。

帰宅後、あまりに疲れていたので4時間ほど爆睡。22時ごろに起きて、朝の4時ごろまで仕事をする。

早朝 目玉焼き三つ
昼 セブンイレブンのおにぎり ふわころ
夕方 からあげ弁当 蒸しパン

今日は全体的に最悪な食事模様だった。