考える引き出し

小池みきがなんでも書くところ・タンゴ練習記録多め

刺し違える準備を

この一週間は忙しかったなあ。

でもラジオはまた新しいのをあげました。

radiotalk.jp

 

8月13日(月)

午後、神保町のタンゴ喫茶ミロンガ・ヌオーバへ。ルイボスティーとメープルケーキを食べる。ある版元さんの編集者と初顔合わせだったのだが、時間を10分過ぎても20分過ぎても相手が現れない。メッセに連絡を入れても反応なし。忘れられたか事故か熱中症か、と不安になるも確かめようがなかった(後日、忘れられていたことが判明)。

来ないならまあ帰るか、と思ったところでなんと東京をゲリラ豪雨が襲撃。傘を持っていないうえに、パソコンやら確認しなければならないJ社のゲラ原稿やらを抱えている私は外に出ることができず、仕方なくそこから1時間半、もくもくとゲラ原稿に赤を入れたのだった。

15時半ごろに、雨脚が弱まったのでようやく脱出。お腹がすいたので日乃屋カレーでカツカレーも食べた。

夜も原稿作業に勤しみつつ、今年のスケジュールの見直し。気づけば2018年も残り4ヶ月半、という事実に震える。

それにしても、アルゼンチンタンゴをはじめてから、ミロンガ・ヌオーバはより一層愛しい場所になった。今ではかかる曲の半分以上を知っている(わりとメジャーな曲ばかりがかかるのでね)。

 

8月14日(火)

何がなんでもJ社の文字校正を終わらせなければならない日。6時半起きで働きまくり、なんとか19時頃に文字校正も終えた。

夜は仕事仲間の女性たちとめかしこんでの女子会。「あまり着る機会のないおしゃれな服を着る」というのがコンセプトだったが、私は洋服を異様なほど持っておらず、必然的に「着る機会がない服」というのは発生し得ない。結局、いつもミロンガに行くときの格好になった。せめてもの追加要素として、このあいだ買った、コムイルフォーのタンゴシューズをおろして履く。スナップがちょっと合わなくて踊りには使いづらそうなので、普段使いのヒール靴にしようかと思っているのだ。

8〜9センチのヒールで歩くことにもだいぶ慣れたと思ったが、やっぱりそれはダンス用のやわらかい床でのこと。コンクリートの地面の上をタンゴシューズで歩くとやはりけっこう足に衝撃がくるなと思った。しかしそれでも前に比べれば全然辛くない。人間って本当、慣れるもんですね。

で、おしゃれな町にあるおしゃれなバーで、女6人わいわいと騒ぐ。出てくる食べ物がどれも美味しかった……しかしそれ以上にトークが盛り上がり、飲み食いはやはりオマケなのだった。

夜は、そのうちの一人の家へと全員でなだれ込む。あまりにセンスのいい内装に、全員が「すごい」を連発していた。ああ、私の殺風景な家もどうにかしたいものよ。

朝 ごはん 目玉焼き2個 納豆 ミニトマト こんぶ
昼 カレー(ココナツでも入っていたのか口と目が腫れた)
夜 バーの食べ物各種

 

8月15日

で、私はメンバーの一人Aさんとそのまま、朝の4時までぶっ通しで喋り続けたのであった。私たちはいままでそんなに喋る時間が多くなかったので、満を持してのトークタイムという感じ。テープ起こしをしたら10万字を突破してしまうこと間違いなしの一夜。

そのあと二人で2時間だけ寝て、起きてから私はその場で仕事(この時点でまだ友人宅にいる)。私と一緒に起きたAさんがコンビニで朝ごはんを買ってきてくれたので、二人でもそもそと食べた。向こうは焼きそばパン、私はメロンパンをかじる。セブンイレブンのメロンパン、数年ぶりに食べたけど美味しいな。

昼前に家に一旦帰ったあと、また仕事のために外に出る。夕方まで拘束されたあと、J社の校正の最終見直しをし郵便局へ。閉まる前ギリギリの時間に、なんとか発送することができた。安堵。

寝不足で発狂しそうだったが、そのあとのタンゴのレッスンを休むつもりは皆無。ドトールでチーズトーストを食べて休憩ののち、教室へ乗り込む。

最近生活が充実していて陽のエネルギーが体内からわきあがっているせいか、男先生がいつもよりさらにかっこよく見えた。また、教室でときどき一緒になるIさんという男性がいるのだが、彼の喋り方がとても優しいことにウフフとなったりもした。どちらのことも、変な目で見てつけねらっているわけではありませんぞ。ただ純粋にときめいているだけだ。そしてこういう心の動き、私は10代のときも20代のときもほとんど味わってきていないのだ。30代にしてようやく得た「キャッキャ」心。

帰宅後さらに仕事。夜中の1時に失神するように寝る。

朝 メロンパン
昼 ごはん 焼き魚 厚揚げの煮物など
夜 チーズトースト

 

8月16日(木)

9時ごろ目覚めるも、「今日はオフ日だ!」と布団の中で決め、そのまま12時まで夢うつつ状態を満喫する。

午後、友人の写真家が家の近くまで来ていると言うので合流。喫茶店で、ワッフルを食べながら近況報告などしあう。

「みきさん今とっても楽しそうだね、今までと違う」

そんな風に言われることが最近増えた。どう考えてもタンゴのおかげである。読書も映画も漫画も、どれも私にとっては「自分ごと」すぎ、取り組まなければならない問題でありすぎた。何も考えずにただ楽しめばいいだけの世界を手に入れたことで、私はたしかに「楽しく」なったと思う。母親にまで「みきは幸せそうじゃないね」と言われていた私だが、最近どうにか「楽しそうに生きている」人になってきた。大きな前進だ。

夜は別の友人とナンカレーを食べに行く。漫画「ビースターズ」や(このあいだ私が彼女にすすめたのだ)、とうらぶの話などをいつも通りにした。「ビースターズ」の、チーターとヒツジの女の子の交流の話がよかったと彼女が言うので嬉しかった。あれは本当にいい話である。 

 そこから話は「女同士の連帯を描く物語」のことへ。

「ブロマンス的なものの女版がなんで目立たないかっていうとさ、ブロマンスってそもそもお互いの自尊感情がある程度確立されていないと成り立たない関係だからだと思うんだよね。女性キャラって自尊感情低いことが多いじゃん。だからシスマンスを描くのは、とくに日本では難しいんだよ」

と彼女が言うのを聞いて「たしかに!」と思った。とりあえず、後学のために「オーシャンズ8」を観に行こう。

昼 目玉焼き3個
おやつ 喫茶店のワッフル
夜 ナンカレー

 

2018/08/17(金)

原稿について考える日なので炭水化物を封印。

午前中に起きて、図書館へ行く。論考系の本を机に積み上げて片っ端からチラ見。合間合間にちょっと遠い本も読む。ジジェクとか、キルケゴールについての解説本とか。キルケゴールの生きづらさに比べれば、こじらせアラサー女の生きづらさは一瞬でかすむなあ、などとしょうもないことを考える。

キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

 

ミシェル・セールの『第三の知恵』も読んだのだが、これは正直意味がわからなかった。どう読めばいいのかがまずわからない。手も足も出なかった。『天使の伝説』とかは面白く読んだんだけどな……。

第三の知恵 (叢書・ウニベルシタス)

第三の知恵 (叢書・ウニベルシタス)

 

関係ないものもあれこれ読んだ。宮尾登美子のエッセイを久しぶりに読んだり、雑誌を読んだり。

現代思想」の明治維新特集、かなり面白かった。冒頭の大澤真幸の論考がまずよかった。明治維新を革命ととらえ、フランス革命と並べて考えたときにまず浮かび上がる違いは、明治維新の場合、革命の勝者と敗者が同一だったことである。明治維新は武士の手によってなされ、武士を消滅させた。その「無念」の亡霊を、私たちはひきずっていると大澤真幸は言う。そうかも、と思うところがかなりある。

武士の無念を、「武士の世の復活」以外の道で晴らすことができたら、そのときはじめて日本は”より正しい”(実際的に正しい、とは言いたくない)ナショナリズムを持てるのかもしれない。

気候があまりにもよかったので、夕暮れ時はずっと川原にいた。赤い空と強風。頭を空っぽにして、ずーっと原稿のことや社会のことを考えた。いくらかの人が、私に、「これについて批判してほしい」と言ってきている。誰も言えないなら私が言うしかないんだろう、という諦めを感じている今日この頃。ある種の批判については、「私のようなバカが言ってもしょうがないじゃんか」と思っていたけれど、むしろだからこそ、ある種の人たちは「こういう人が、あれについて言ってくれればいいのに」と 思うらしい。

守らなければならないものが、私にはない。私が持っていると言えるのは、今更何をどうしても私から剥ぎ取れないものばかりだ。身軽ではある。大きなものと刺し違えるなら、そういう身軽な人間に限るのだろう。

朝 卵焼き三つ 無限ピーマン 納豆
昼 喫茶店のカレー オレンジジュース
夜 ささみ肉とアスパラとブロッコリーの炒め物