考える引き出し

小池みきがなんでも書くところ・タンゴ練習記録多め

課題はワルツと英語とスペイン語(ミロンガ4回目)

仕事があまりにも修羅場。いろいろと耐えかねることが多く、全てをかなぐり捨てて駆け落ちのごとくミロンガへ走る。

着いたのは20時半を回ったところ。あまり男性がいなかった。長年ここのミロンガに通っている人によれば、ここは基本的に男性が少ないのだという。終盤は、先生たちが順々に女性たちの相手をする、という感じになっていた。先生が踊ってくれると、それがあちらの商売なのだから気遣い無用、とは思ってもなんとなく申し訳ない気持ちになる。

光栄なことに、先生勢の一人にして去年のタンゴ世界選手権チャンピオンであるアクセル・アラカキ氏(後ろ姿の美しさにびっくり)も踊ってくれたのだが、そのタイミングでかかったタンダがよりによってワルツ!! 悲しみ。まだコントラティエンポをうまく刻めない、ワルツのときは基本男先生に引きずられながら踊っている私である。アクセル氏にもおんぶに抱っこであった。もっと練習しないと。

アルゼンチン人の先生も踊ってくれて、こちらはタンゴだったのでなんとかついていけた。ヌエボ系の動きは楽しい。

しかし終わったあと、しばらくしてからその先生がやってきて言う。

先生「君はなんで英語が喋れないんだよ。why!?(英語)」
小池「え? why? なんで喋れないか? なんでと言われても(日本語)」
一緒にいた女性「ん〜、先生、彼女は日本語を話す方が好きなんですって(英語)」
先生「(やれやれという顔)」

日本語でものを書く仕事があまりに多い私、英語が喋れなくて困った経験があまりないのだが(相手の言っていることがわかればどうにかなるシーンばかりだった)、今回は大変悔しかった。もっといろいろコミュニケーションしたい。ちゃんと英語を喋れるようになろう。できればスペイン語も!

あまり踊りの時間がなかったので、あとの時間はベテランのお姉さまにタンゴよもやま話を聞いていた。面白かった。「私は振付ばかりしているから……」と言うのでどういうことだろうと思ったら、「振付をしている」というのは「先生に振付をつけてもらい、発表会などで披露することをメインにやっている」、という意味らしい。そうだったのか。

前にミロンガで男性に「私は振付をやっていて」と言われて「えっ、振付の仕事をされてるなんてすごいですね、プロなんですか」と反応してしまったことがある。「え、いやそんなんじゃないです」と返されたのだがそりゃ当たり前であろう。独特の言葉遣い、むずかしい。

もしサロン中心にやっていきたいなら、やっぱりパレハ(タンゴにおいて言うときはダンスのペアのこと)は組んでいた方が何かと楽かも、という話もされた。「みんないったいどういうところでパレハを組むのか」と聞いたら

「ミロンガで知り合うってケースが多いかなあ。小池さんは若いし声はかけられやすいと思うよ。でも、ミロンガで上手いなと思う男性って大抵すでにパートナーがいるのよね。だから、効率がいいのは社交ダンスなんかをやってる男性をタンゴに引っ張りこんじゃうことね」

との返事。なーるほどね……。

帰り、アクセル氏と立ち話。まだこんなに若いのに(25歳!)、世界一になるくらいダンスがうまくて、ハンサムで分析上手で、ついでに言えばお母様もめちゃめちゃ美しくて(お母様もダンサーだ)、なんかもういろいろすごいなあ、と感心しきりだった。私はダンサーになりたいわけではないが、爪の垢は飲みたい。

結局締めの時間まで居座ってから帰宅。帰り道々思い出したのは、アルゼンチン人の某先生が、フロアで自分の息子さんとタンゴを踊っていた姿である。息子さんはまだとっても小さくて、頭が先生の腰くらいのところにあった。彼がダンスをそのまま好きでいつづけるかはわからないけど、この日本に育ってもきっと、当たり前のようにダンスを踊れる青年になるんだろう。

家族がいるって、その家族と踊れるっていいな、と少し思った。